【初心者向け】アンケート?インタビュー?市場調査で失敗しない「定量・定性調査」の目的別使い分け
「市場調査を始めたいけれど、アンケートとインタビュー、どちらを選べばいいんだろう?」
新商品の開発やサービス改善に取り組む際、多くの企業担当者様が最初に直面する疑問です。市場調査には大きく分けて「定量調査」と「定性調査」の2種類があり、それぞれの役割と使い分けを理解することが、調査を成功させるための最初の、そして最も重要な一歩となります。
この記事では、市場調査の初心者の方のために、定量調査と定性調査の違いを分かりやすく解説し、あなたの目的達成に最適な調査方法を見つけるヒントを提供します。
大事なのは「目的」によって使い分けること
まず、この2つの調査を簡単に理解しましょう。最も重要なのは、「何を知りたいか」という目的に応じて手法を選ぶことです。
| 定量調査 | 傾向や実態を数値で把握する | 「どれくらいの人が?」「どの程度満足している?」 |
| 定性調査 | 背景や理由を深く理解する | 「なぜそう思うのか?」「どんな時にそう感じるのか?」 |
定量調査:市場の「実態」を数字で捉える
2-1. 定量調査とは?
定義: 統計的な処理を目的とし、数値データ(量的なデータ)を収集する調査。
特徴: 広く、大量のサンプルを対象とするため、市場全体の傾向を客観的に把握できる。
2-2. 定量調査のメリット・デメリット
👍 メリット
- 客観性・信頼性が高い(統計的な根拠となる)
- 広範囲をカバーし、比較・分析が容易
👎 デメリット
- 「なぜ」が分からない(真の動機を深掘りできない)
- 調査設計(質問文)の難易度が高い
定性調査:ユーザーの「本音」を深く掘り下げる
3-1. 定性調査とは?
定義: ユーザーの行動の背景にある心理や動機といった、数値化できない質的なデータを収集する調査。
特徴: サンプル数は少数でも、じっくり話を聞くことで、行動の裏にある理由を深く掘り下げ、インサイト(ビジネスを動かす示唆)を発掘する。
3-2. 定性調査のメリット・デメリット
👍 メリット
- 「なぜ」が分かる(動機や本音、潜在的な不満を発見)
- 次の施策のヒントや具体的なアイデアに直結しやすい
👎 デメリット
- 客観性に限界がある(市場全体への一般化は難しい)
- 分析に専門的なスキルと時間がかかる
失敗しないための「使い分け」の鉄則
成功する調査は、目的に応じて、または組み合わせて使われます。
| 調査目的 | 最適な手法 | 具体例 |
| 市場の規模/傾向の把握 | 定量調査 | 「20代女性の7割が競合商品を使っている」など、事実確認。 |
| 仮説の検証/妥当性の確認 | 定量調査 | 「新しいデザインは全体に受け入れられるか」を数値で確認。 |
| 問題の背景/原因の究明 | 定性調査 | 「なぜ競合商品を選ぶのか」という理由を深掘りする。 |
| 新しいアイデアの発掘 | 定性調査 | ユーザーの無意識の不満から、新サービスにつながるヒントを得る。 |
【プロの鉄則】 まず定量調査で市場の「事実(What)」を把握し、次に定性調査で「理由(Why)」を深掘りする流れが最も効果的です。
まとめ
市場調査の価値は、単なるデータの収集ではなく、データからビジネスを動かす「インサイト」を引き出すことにあります。
- 「全体像と割合」を知りたいなら、定量調査(アンケート)。
- 「理由と本音」を深く知りたいなら、定性調査(インタビュー)。
この使い分けを理解し、あなたの調査を成功へと導きましょう。
次の一歩
「どちらの手法を選べばいいか迷う」「収集したデータをどう解釈すればいいか分からない」といったお悩みがあれば、深いリサーチと分析の専門家である私たちに、ぜひ一度ご相談ください。
